日記「花ひらく人生」

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2008年11月22日

新しい統合の時代へ。

DSC03017.JPG今をときめく分子生物学者
福岡伸一先生のセミナーに参加してきました。
先生の書かれた『生物と無生物のあいだ』は
<彩乃のおススメ!>でも紹介しておりますが
お話を直接うかがう機会は初めてのこと。
「生命観を問い直す」をテーマに、
期待以上に示唆に富んだ、わかり易いお話が続き
ここにお伝えしたいことが沢山あるのですが
まずは、印象に残った3つのメッセージを;

<テーマ>
「形あるものはすべて壊れる」という秩序、エントロピー増大の法則が働くなかで
なぜ生命現象が途絶えることなく連続して存続しているのか?

自らを積極的に壊し、また絶え間なく作り続けることで抵抗を試みている。
・ひとつひとつの器官や細胞がマシンの部品のように独立して機能するのではなく
 全体性、統合性のなかでつながり関わりあって機能している
・ニッチ(自分の分を守る というのが本来の意味だそうです)
 棲み分け、食べ分けによってできるだけ他の生物と競争しないようにしている。

なるほど、なるほど。
環境問題、食糧問題、企業倫理、生命倫理などの社会的な問題から
個人の幸福な暮らしのあり方といったひとりひとりのテーマまで、
わたしたちがこれからもこの地球で暮らしていくためには
こうした全体性、統合性に重点を置いた視点で、ものごとを考え直すことが
とても重要になりますね。

どうやら、人間の脳というものは、どうしても部分的思考に陥り易いようで
先生は、モナリザの絵をモザイク処理した絵図を例に解説してくださいました。
そうなのです。
おおきなモザイクでおおわれていても一瞬にして(あっ、モナリザ!)と
推測できてしまう人間の優れた情報処理能力。
パターン化して処理できる能力が発達している反面、
すべてをパターンに当てはめて部分的に物事を捉えがちになる。
蟻が象を判断するような、そんな思考パターンでしょうか。

文明社会を築いてきた半面、わたしたちが失ってしまった力。
批判、分析する能力は長けても、全体を感じる、直感を掴むセンスが
鈍くなっていることと、どかか、つながっているのかもしれません。

講演の最後の質疑応答がまた心に残るものでした。
「生命の流れの中で、ではいったい心はどこにあるのでしょう?」
「狂牛病(先生の専門分野)で牛肉は避けても、他に食べないほうがよい
 食物があったら教えてください」といった質問にも
顔色ひとつ変えることなく淡々と、適切なクルーを差し出す先生の姿勢には
どこか宗教家のような落ち着きと懐の大きさを感じさせられました。
科学の世界から、香園ような純文系人間でも共振できる言葉で
深いメッセージを伝えることができるプロフェッショナルな人たちが表れてきて
やはり、これは新しい統合の時代の足音が近づいているということなのでしょう。

このところ身体と心の鍛錬には惜しみなく時間を注いでいたつもりでしたが
やっぱり頭のほうも鍛え直さなくてはいけない、と決意を新たにしたセミナーでした。


この記事のURL | コメント(0) | ココロ&カラダ&アタマ 

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