日記「花ひらく人生」

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2008年12月31日

ティク・ナット・ハン『禅への道』

DSC00419.JPG年末年始はたっぷりと
読書する時間を大切にしています。
3年前の元旦はティック・ナット・ハン師の
『禅への道』に1晩を費やしました。

ちょうどわたしが生まれた頃に書かれたアメリカ留学の思い出。
美しい自然の描写から始まったのが、
章が進み、ベトナムの同士たちと過ごした
苦難の時代の挫折を回顧するものとなり、
友を失った痛み、ひとり助かったことへの罪悪感、しかし
深い心の傷と闘いながら新しい時代への希望を捨てず
現実社会の泥沼においても一歩一歩、足を踏みしめながら歩む師の姿に
圧倒され、滂沱たる涙を流しながら読みました。

それは単なる「感動」とは異なる体験でした。
これまでの読書ではまるで経験したことのないもので
著者がこの本を記したときの精神的なあり方が
白い光となって滝のように身体に流れ込んでくるような感覚は
後にも先にも、この本より他に未だありません。
そしてこの感覚は、あの大晦日の夜にだけ訪れたもので
後になって繰り返して読んでみても感動はあっても
同じ光を感じることは2度とありませんでした。

人生の不思議な瞬間とこの書とが遭遇した、という気がしてなりません。
「生は苦しみのなかにおいてさえ啓示である」 ティク・ナット・ハン


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