日記「花ひらく人生」
2010年10月09日
『4千万本の木を植えた男が残す言葉』
自然は・・・と、ついつい安易に口にしてしまうのですが、
ではいったい「自然ってなんですか?」と問われたら・・・
はたと立ち止まってしまいませんか?
(自然って素晴らしいなぁ~)と感動を口にする風景の大半は、
実は、手つかずの自然ではなくて
人間が何かしら手を入れたことによって形成された
いわば人工的なプロセスを経た環境なのです。
一般的に森林と呼ばれるものも、まさにそうした
人間が創り上げたものであるということを強く認識させてくれるのが、
「4千万本の木を植えた男」宮脇昭先生です。
「鎮守の森の復活」を合言葉に、日本国内のみならず、アジアに、世界に、
植林活動を行う宮脇先生の講演を一度だけ拝聴したことがあります。
その土地本来の植生に適した、つまり自然本来の在り方に沿った植林を行えば
3年後には、人間の介入を全く必要とせずにすくすくと育つ森林が誕生する。
日本の鎮守の森とは、まさに、こうした「天然」の、ありまのままの森の姿であり、
神聖なる禁域として鎮守の森を定めたのは、ありのままの自然を守る日本が誇るべき叡智である。
宮脇先生からのメッセージは、聴く人の深い内側に届く力強い説得力があって、
本物の森づくりに、先生が人生を賭けて取り組んでいらっしゃることがひしひしと伝わってきました。
この本では、先生の生い立ちから始まって、現在に至るまでの活動がまとめられ
ドイツ留学で培われた学者としての「信念」を随所によみとることができ、
宮脇先生が続けておられる活動の意義の深さを改めて強く感じさせられます。
ところで、この本の中でわたしの心をもっとも強く捉えたのは、以下の文章です。
「森も、単に復活させるだけでなく、昔の神様を復興するんだという精神をもたないと、
本当の森の復活はできないと思いますね。
私は、神道が日本独自の宗教とは考えていません。
神道のような共存の思想は、狩猟採取時代には世界中にあったと思います。
それが農耕、特に小麦農業ができてから滅ぼされていった。
そういう人間の歴史の原点に帰る。『縄文に帰れ』というのは『日本に帰れ』というだけでなく、
人類の歴史の原点に帰るということだと思いますね」 梅原猛
宮脇先生が、梅原先生から贈られた言葉を引用なさったのですが、
梅原先生の優れた洞察力にはほんとうに頭が下がるばかりです。
忘れてはならないのが「人間も自然の一部」である、ということ。
人類の歴史の原点に帰る、ということは、人間も自然の一部である、ということを思いだし、
自然の摂理に沿った生き方に還れ、ということなのだと思います。
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